2009年12月19日土曜日

うぶんちゅ!第6話のギミックが少々不快な件に付いて

今回、アスキーから出版されたUbuntu Magazine Japan vol.02 (アスキームック)ですが。創刊号とは違って、今回は比較的ネットも穏やかなものです。あんま取り上げられていませんね。
まあ、取り上げなくなったのは逆に良い事なんですよ。「普遍化して落ち着いた」「購買層が定着した」って言い方も出来ますし。誰が毎週「今週ビッグコミックスピリッツが発売します!!!」なんて記事をブログに上げるのですか(笑)。早くも初回で普遍化してユーザーベース(と言えばいいのか)を得た、ってのは賞賛に値します。偉い。iBus使いにくい(謎)。
あ、僕は今はスピリッツじゃなくってヤングガンガン派ですけど(謎)。

ただ、ですね~~。
Ubuntu Magazine Japan創刊号から思ってたんですが。

うぶんちゅ!って漫画、本当に面白い?

いや、定期刊行誌(2ヶ月に1度?)になる前は、一回に一つずつ、「何らかのオープンソース絡みのアイディア」を短い中で分かりやすく説明しよう、って頑張ってたんですよね。そこは認める。
ただ、定期刊行誌になって、第一回、第二回と、

実はUbuntuにもオープンソースにもネタ的には全く関係無くね?

って感じたのが正直なトコで。
早くも定期刊行誌第二回で「失速してる」んですよね~~~(笑)。

いや、別にさ。実際「Ubuntuネタだけ」とか「オープンソースネタだけ」で漫画展開させよう、としてもネタ切れなるだろうな、って危惧は分かるんですよ。多分そうだろうな、と思います。
正直言うと、うぶんちゅ!のような、ある種の「啓蒙漫画」ってのは、不定期の本の「企画モノ」で成り立つスタイルであって、このままの形で「定期連載」ってそもそも無理があるでしょ、って事なんです。
タイトルにある通り、素直に「ラブコメ」に移行してった方が良くない?マジで。

んでね、今回ギミックとして使われてて酷かったのが

魔術師本

なんですよ。曰く、

「そりゃ女の子は魔法に弱いんだもーん♥」

とか書いていて。
正直イラっとしました(爆)。率直に

「アホか?」

とか思って(笑)。
そんな「女の子は魔法に弱いんだもーん」とか言うような本か?これって。
あまりに酷すぎる。持ってるだけにかなり不快なセリフだったのです。
作者、分かってやってんだろうな?

計算機プログラムの構造と解釈、通称SICPとか魔術師本と呼ばれるこの本は、MITのコンピュータ・サイエンスの初年度の学生の為に長年使われてきた本です。
極めて難解な本で、正直、僕もまだ読破出来ていません。多くの人が読破を試みてるんですが、マジメな話、難攻不落と言って良い本なんです。
しかも、この本はSchemeと言うLisp方言を使って、「プログラミングを教える」と言うより、アセンブリレベルの話を延々と書いていて、全くもって意味不明な本なんです(笑)。実際有名な本なんですが、批判も多い。
まず、ポイントなんですが、
  • Ubuntu Magazine Japan と言う、どー見てもLinux初心者が購読層の多数を占めてるような雑誌で、名前を出すのは不適切である。

と言う事です。
いや、素人さんは怖いんですよ。

「いやあ、魔術師本なんてカワイイなあ。漫画うぶんちゅで紹介されているくらいなんだからUbuntuに関係あるのかも。買ってみようか。」

とかなるかもしれません。
いや、マジで不適切です(笑)。これは「あり得る」んですよ。
しかし、そう簡単に読みこなせるような本じゃないです。泣いてます(笑)。
それともう一つ。同書でMITで書かれたSchemeと言うLisp方言を使ってる、って意味に付いて。そもそもLispってのはUNIX文化と全く違うトコで生育されたプログラミング言語なんです。つまり、Ubuntu以前にUNIXとも「全く関係無い」んですね。
Cをベースにした「UNIXの世界観」と全く違うプログラミング言語なんだって。
ハテサテ。ではうぶんちゅ!と言う漫画で「ネタにする」必要性があった本なんでしょうか?
結論は無いですね。単なるギミック。こんな漫画の描き方、って無いですよ。
だって、Ubuntu Magazine Japan vol.02 (アスキームック)の第6話のあらすじってこうですよ?

Ubuntu 9.10がリリースされる。

1行で済んじゃう(笑)。広告より酷い(笑)。それで不必要なギミック投入・・・。
たまりませんわな。

いやさ、マジメな話。
「Ubuntuに付いてだけ」「オープンソースに付いてだけ」で漫画のストーリー展開するのって無理ある、って。実際作者の人、これ以上やらせたら「可哀想」ってレベルになってきてると思いますよ。マジな話で。
だったら。
絵がカワイイんだから、ASCIIの編集部も自由に描かせてあげればいいじゃない。
例えばさ。僕は昔「ファミ通」とか愛読してた事あるんで(笑)、敢えて言いますけど、ファミ通に「連載されていた」漫画って必ずしも「ゲーム漫画だけ」だった、って事ねーじゃん。
いくらUbuntu専門誌でも「Ubuntuだらけ」にする必要無いんだってばさ。もちろん、本文はUbuntuテンコ盛りで構わない(と言うかそれを望んでる)んですが、漫画くらい雑誌のオアシスでしょ?何も「Ubuntuに無理矢理関連させた」漫画じゃなくっても良いと思うんですけど。
これは明らかに無理な企画が祟ってると思います。不定期刊行誌時代の「企画」のままで突っ走らなくても良いんだってばさ。

どーせやるんだったら、例えば鈴木みそさんみたいな「突撃レポート」ものでも良いし(笑)。たわごとでかおりんさんが紹介してたこの記事の漫画版みたいなさ。Ubuntu未経験者の一漫画家が編集部の要請によりUbuntuエキスパートユーザーに向かって「成長するのか?」みたいな(笑)。実体験レポ。読んでる読者も「あるある」って思い当たる節がたくさんある漫画になると思うけどなあ。
下手すれば批判っぽい内容になる可能性もあるけど、「賛美だけ」じゃダメだよ。漫画だから「こそ」描ける毒があるべきだし、みんな引っかかるトコはみんな引っかかるんだ、って実例にもなるんじゃない?
あるいは。奇作ファミ通のアレ(仮題)みたいなワケ分からん漫画とか(笑)。「Ubuntuのアレ(仮題)」とかやってくれねえかな、竹熊健太郎氏(笑)。こーゆーヘンな漫画が掲載されてる事「だけ」でもコアな漫画ファンがUbuntu Magazine Japan買ってくれるぞ(笑)。

まあ、とにかく、今のままではうぶんちゅ!は先細りになるのが目に見えています。企画考え直した方がいいよ。あるいは路線変更、とかさ。
如月あかねとかの「生粋のUNIXER」なんて設定自体が今回全然生きてないし。元々プログラミングやってる、なんて設定でも無いでしょ?何で魔術師本を欲しがるんだか。
ぶっちゃけ、「生粋のUNIXER=凄腕のプログラマ」でも無いんだよね。パーセンテージで言うと。
僕が観察してた限りで言うと、Slackwareなんか弄り倒している人間はとても「プログラミング」まで辿り着けません。そこに行くまで障害が多すぎるし、また、「OSをイジる事だけが」目的と化すような人が多いんで、UNIXER=凄腕プログラマ、なんて設定にはほぼ、ならんのです。
(逆に、Windowsのような「プログラミング環境構築」が比較的簡単なトコでプログラミング「自体」を覚えて、Slackwareなんかに移ってきて「本領発揮」って事はあり得ますがね。)

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